米VMware社の日本法人であるヴイエムウェアは2017年9月7日、VMware社が米国ラスベガスで開催した「VMworld 2017 US」(8月29日~9月1日)の発表内容に関する記者/アナリスト向け説明会を開催した。VMware社は優先的な戦略的IT施策として「パブリッククラウドとの連携」「データセンターのモダナイゼーション」「デジタルワークスペースの実現」「セキュリティーの変革」の4つを打ち出しており、VMworld 2017 USの発表もそれぞれの施策に関連したものとなる。

VMware社のビジョンを解説するヴイエムウェア マーケティング本部チーフストラテジストの高橋洋介氏
VMware社のビジョンを解説するヴイエムウェア マーケティング本部チーフストラテジストの高橋洋介氏
ビジョンを解説するスライドには、IoTへの取り組みを強調するため今年からANY CLOUDレイヤーにEdge Computingアイコン、ANY DEVICEレイヤーにセンサーアイコンが追加された
[画像のクリックで拡大表示]

 このうち「パブリッククラウドとの連携」に関連した発表には、米Amazon Web Services社のパブリッククラウド「AWS」(Amazon Web Services)のベアメタル(OSなど基本ソフトがインストールされていない環境)でVMware社の仮想環境のワークロード(以下、VMwareワークロード)を稼働させるIaaS(Infrastructure as a Service)「VMware Cloud on AWS」の初期リリース(Initial availability)の提供開始がある。現時点では米国西地区(Oregon region)のデータセンターだけで運用されており、日本からは野村総合研究所、リコーがすでに利用しているという。

 このほか企業内のオンプレミス環境で稼働するVMwareワークロード、VMware製品を使用するパブリック/プライベートクラウド、AWSや米Microsoft社のパブリッククラウド「Azure」を一元的に管理するSaaS(Software as a Service)「VMware Cloud Services」も発表した。これは2016年に「VMware Cross-Cloud Services」という名前でテクノロジプレビュー公開した製品/サービスの正式版となる。

 VMware Cloud Servicesが提供する最初の製品/サービスは、エンドポイントセキュリティーの「AppDefense」、コストモニタリング/最適化の「Cost Insight」、インベントリー管理の「Discovery」、ネットワーク監視の「Network Insight」、ソフトウエア定義ネットワーキングの「NSX Cloud」、DevOps環境のトラブルシューティング支援の「Wavefront」の6つ。このうちAppDefenseは、VMware社のハイパーバイザー(仮想化ソフト)の保護領域からアプリケーションまたはOSの改ざんをリアルタイムに監視して、改ざんを発見するとネットワークの遮断、スナップショット取得などの対策を自動実行する。