日本IBMは、2017年9月7日に報道機関向け会見を開き、米IBM社のブロックチェーン基盤「IBM Blockchain Platform」を紹介した。IBM Blockchain Platformは同社のクラウド上でPaaS(Platform as a Service)として、日本では2017年10月から提供される(ニュースリリース)。

登壇した鶴田規久氏。日経テクノロジーオンラインが撮影。
登壇した鶴田規久氏。日経テクノロジーオンラインが撮影。
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 最初に登壇した日本IBMの鶴田規久氏(執行役員 インダストリー・ソリューション事業開発担当)によれば、ブロックチェーン技術は実証実験のフェーズから業務に本格的に適用するフェーズになったという。現在、IBMが手掛けるブロックチェーンを使ったプロジェクトは400に上り、そのうち1割程度が日本でのプロジェクトだという。また、ブロックチェーンを使う業界も広がっている。現在、金融が7割と多いものの、流通や通信などの業界でも使われるようになった。最近は製造業のユーザーもいるという。

 日本IBMでは、ブロックチェーン技術を使った事業の展開エリアとして、3つに狙いを定めた。世界貿易、地方創生、公共サービスである。このうち、世界貿易や地方創生には実例があるという。例えば世界貿易では、IBMと米国の食品業界などが立ち上げたコンソーシアム(関連記事:シェア ツイート 保存 ブロックチェーンで食中毒の撲滅を狙う、IBMと食品業界)。このコンソーシアムでは、食品のサプライチェーンのトラッキング/管理にブロックチェーンの技術を適用して、食の安全の確保を狙う。

 地方創生では、岩手銀行をはじめとする複数の地方銀行が結成したコンソーシアムを紹介した。こちらのコンソーシアムでは、ブロックチェーンをベースに金融サービスプラットフォームを共同構築する(ニュースリリース2:PDF)。これから始まる公共サービスでのブロックチェーン利用に関して鶴田氏は、2017年6月に閣議決定された「未来投資戦略 2017」を引き合いに出し、ブロックチェーンが「革新的電子行政の実現」に向けたコアテクノロジーになったことを紹介した。

「公共サービスでのブロックチェーン利用はこれから始まる」という。日本IBMのスライド。
「公共サービスでのブロックチェーン利用はこれから始まる」という。日本IBMのスライド。
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