中国が主導する国際金融機関、アジアインフラ投資銀行(AIIB)は9月5日、エジプトのメガソーラー(大規模太陽光発電所)・プロジェクトに2億1000万ドル(約229億円)を融資すると発表した。

 同行と世界銀行グループの国際金融公社(IFC)を中心に、エジプトや中国の民間金融機関が協調融資団を組成し、限定遡及(リミテッドリコース)型のプロジェクトファイナンスに基づいて長期融資を提供する。

 11カ所で地上設置型のメガソーラーを建設し、設備容量の合計は490MWを見込む。

 エジプトの発電容量が増加するため、電力需要のピーク時に電力を中東の周辺国にも供給できることが期待されている。

 同プロジェクトにより、エジプトの発電容量を増強し、発電における化石燃料への依存度を低減する。同時に、「パリ協定」の下で同国が公約した温室効果ガス排出量の抑制目標の達成を支援する。具体的には、年間50万t以上のCO2排出量が削減可能としている。

 AIIBは2016年1月に業務を開始し、現在の加盟国は80カ国。AIIBと競合する面の多いアジア開発銀行(ADB)を主導する米国や日本は、AIIBに加盟していない。

 同行の使命は「アジアの経済・社会の開発を改善すること」としているが、実際にはアフリカや中南米などのインフラ投資も手掛けており、今回融資を発表したエジプトもそういった動きの一環となっている。

 AIIBは、「AIIBのAはアジア(Asia)だけでなく、アフリカ(Africa)やアメリカ(America)も含む」と主張している。