シンガポールの再生可能エネルギー事業者であるエクイスエナジー(Equis Energy)社は9月5日、台湾の経済部能源(エネルギー)局から70.2MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)建設プロジェクトを受注したと発表した。

 台湾南西部の嘉義県義竹郷(ぎちくきょう)にある79.5haの用地で2018年の初めに建設を開始し、同年中頃までに稼働を開始すると見込む。エクイス社によると、同メガソーラーは完成後、台湾で最大規模になるという。

 台湾政府の入札制度により、同社は台湾の公営電力会社である台湾電力と20年間の電力購入契約(PPA)を締結する権利を保有している。

 エクイス社は、今回発表したプロジェクトで約10万MWh/年の発電量を見込んでいる。これは1万9000世帯の年間消費電力に相当し、等価な石炭火力発電と比較した場合、5万6000t/年の温室効果ガス排出量の抑制と、9500万リットルの節水の効果があるとしている。

 今回の台湾政府の入札は2カ所であり、同社がいずれも落札したが、既定によりいずれか一方を選択するよう要請されたため、規模が大きい方のプロジェクトを選択したという。

 エクイスエナジー社は、現在100MW分の太陽光発電所を建設中であり、台湾で最大規模の再エネ事業者の1社という。さらに、今後5年間で合計581MWのメガソーラーと風力発電所が稼働すると同社は見込んでいる。

 台湾では蔡英文・民進党政権が定めたエネルギー政策によって、再エネの導入が急速に拡大しつつある(関連記事)。同政権は、2025年までに太陽光で20GW、再エネ全体で28GWの設備容量を確保することを目標としており、エクイス社が台湾で再エネ事業を拡大するうえでも追い風になっている。