太陽光発電関連のエクソル(京都市中京区)は9月2日、太陽光発電所内で、設置ずみのアレイ(太陽光パネルを架台に設置する単位)ごとスライド移動させる工法「X-large」を発表した。9月20日から見積もりの受け付けを開始する。
発電所全体で、アレイを前方にスライド移動させることで空けたスペースに、新たにパネルを増設する需要に対応した。
米国などと違い、パネル単位でフル出力となる時間帯が少ない日本では、パワーコンディショナー(PCS)の稼働率を上げ、売電量を増やす手法として、PCSの定格出力に対して、パネル容量を増やすことが一般的となっている。パネル価格が低下していることも、その流れを後押ししている。
エクソルは、アレイの前後の間隔を詰めると、後列の低部のパネルに影のかかる発電所にも、この工法を提案していく。影による発電ロス率を最小限に抑える設計とし、さらに、PCSの定格出力を超える時間帯のピークカット分のロスを含めたシミュレーションによる増設の設計の最適化により、発電量を最大化する。
受注開始当初は、高圧以上で、かつ、パネル低部と高部に平行になるように連続的に形成されたコンクリート基礎を採用した太陽光発電所を優先的に対応していく。
こうした基礎の発電所から適用をはじめる理由は、アレイをスライドさせ、間隔を縮めて固定する手法にある。
アレイの下にある基礎の上に、2本のレール状の部材を固定し、元々、基礎に固定されていた架台は、このレールに乗せて前方にスライドさせ、固定することを想定している。
同社によると、架台は基礎から離れるものの、新たな固定先となるレールなどの部材は、基礎に固定されており、施工前と同等の強度を確保できるとしている。