カナダのS&C Electric Canada社は8月28日、オンタリオ州ノースベイ(North Bay)の市営電力事業者であるNorth Bay Hydro社と提携し、「ノースベイ・コミュニティ・エネルギーパーク」でマイクログリッドを建設すると発表した。

 同マイクログリッドは、太陽光発電システム、定置型蓄電池、コージェネレーション(熱電併給)システム、制御システムなどから構成され、S&C社は同マイクログリッドの設計や調達、契約の管理を行う。

 太陽光発電システムは、市営の遊泳・水泳施設である「アクアティック・センター」の屋上に設置される。太陽光パネルの詳細は非公開だが、同施設の規模から数十~200kW程度とみられる。

 隣接するスケートリンク施設の「メモリアル・ガーデンズ」にもクリーンな電力を供給するとしている。また、コジェネによって、両施設への熱供給と太陽光発電の補完となる電力供給を行う。

 電気自動車の充電ステーションも設置し、系統網からマイクログリッドを切り離して自立的に運転できる「アイランド・モード」も装備する計画という。

 制御システムとしてS&C社の「PureWave SMS-250ストレージ管理システム」を採用し、定置型蓄電池や太陽光発電やコジェネなどの運用を一括して管理する。

 North Bay Hydro社のTodd Wilcox CEOは、「マイクログリッドにより、地元が教育や経済、雇用などでメリットを得られると共に、緊急時の避難所としても活用する。吹雪で停電が発生した場合でも、半径100km以内で照明や暖房が使える数少ない避難施設となるだろう」と同プロジェクトの意義を強調する。

 S&C Electric Canada社は、重電大手の米S&C Electric社のカナダ現地法人である。S&C社は、過去10年間に17件のマイクログリッドと21件の大規模定置型蓄電池システムを建設してきた実績がある(関連記事1)(関連記事2)(関連記事3)。