米Viking Cold Solutionsが開発した「Thermal Energy Storage」
米Viking Cold Solutionsが開発した「Thermal Energy Storage」
(出所:Viking Cold Solutions)
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 米Viking Cold Solutions社は30日、同社の省エネルギー型業務用冷蔵庫・冷凍庫である「Thermal Energy Storage (TES)System」に太陽光発電を組み合わせた「Solar Energy Storage」を発表した。

 TESは、夜間などの安価な時間帯の電力を利用する氷蓄熱技術に基づくもの。同社の製品では、元々米航空宇宙局(NASA)が開発し特許取得済みの「Thermal Energy Storage Cell」を用いているという。

 氷蓄熱では、夜間などの安価な電力で水から氷を作り、昼間の電力の高い時間帯に電気を使わずに冷蔵や冷凍を行うことで電気代の節約を実現する。今回発表したSolar Energy Storageでは、これに太陽光発電を組み合わせることで、クリーンにピーク電力需要を90%低減できるとしている。

 また、太陽光発電によって氷蓄熱という形でエネルギー貯蔵を行うため、日中だけでなく夜間などにも太陽光エネルギーを有効に活用できる。

 各事業者における省エネや電気代の節約だけでなく、電力事業者にとってもピークカットやピークシフトによってメリットがあるとしている。

 Viking Cold Solutions社はエネルギー管理を専門としており、冷蔵庫や冷凍庫のシステムをより効率化することを目標としている。

 同社のTESはこれまでに顧客のエネルギーを6000MWh低減、温室効果ガスを4000t以上削減し、食品廃棄などによる損失1300万ドル以上を回避することに貢献したという。