米Sunverge Energy社は29日、ミネソタ州ダルース(Duluth)の自然博物館「ハートレイ・ネイチャー・センター(Hartley Nature Center)」が同社の定置型蓄電池システム「Solar Integration System(SIS)」を設置したと発表した。
SISは、太陽光パネルで発電した電力を蓄電池に貯める仕組み。こうしたエネルギーシステムが設置されたのは、同州で初めてという。
蓄電池の設置により、太陽光の電力を日没後も活用可能となり、不測の停電時などでもセンターの運営を滞りなく継続できる。また、災害が発生した際、同センターが情報機器を充電する機会を提供することで、地域住民が連絡を取り合えるとしている。
同プロジェクトは、幅広い提携や地域からの支援の結果として成り立っているという。資金面では、エネルギー省(DOE)の「SunShotプログラム」、Clean Energy Group、ミネソタ大学ダルース校、ダルース市から支援を受けている。
Sunverge社のSISは、オーストラリアで約1000世帯の住宅を集約して構成する仮想発電所(VPP)のプロジェクトでも採用されている(関連記事1、関連記事2)。
米国では、地域独占の電力事業者がネットメータリングによる余剰電力の売電に歯止めを掛けようとする動きが各地で出始めている。売電が抑制された場合、SISなどによる自家消費やピークシフト、デマンドレスポンス(DR:需要応答)などが、今後さらに普及する可能性もある。