米ギブパワー財団がEmpowered by Lightと共同でビルンガ国立公園に設置した太陽光ミニグリッドシステム
米ギブパワー財団がEmpowered by Lightと共同でビルンガ国立公園に設置した太陽光ミニグリッドシステム
(出所: Empowered by Light)
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 米国のNPO(非営利団体)「ギブパワー財団(Give Power Foundation)は25日、発展途上国や後進国の電化をオフグリッドの太陽光発電システムで支援する「ミニグリッド・プログラム(Minigrid Program)」を開始したと発表した。

 支援の対象として、教育、水、健康、食の安全、経済開発、通信、環境保全の7分野を定めている。

 同財団は従来、貧困な地域で米SolarCity社が設置した太陽光パネル1MWにつき1つの学校に照明機器を提供するといった慈善活動を行っていた。今回のミニグリッド・プログラムでは、その取り組みを学校以外の分野に拡大する。

 世界中の未電化地域で信頼性の高いエネルギーを提供することで、安全や治安を高めると同時に、電力によって住民に収入を得る機会を提供したいとしている。

 同財団のミニグリッドは最大50kWで、太陽光パネルと定置型蓄電池で構成する。これにより、莫大なコストがかかる送電網や配電線といった従来の電力インフラを必要とせず、貧困な地域の小さな村落や一団の建築物に電力を供給できるという。

 ギブパワー財団の最初のミニグリッド・システムは、コンゴ民主共和国の東部にあるユネスコの世界遺産「ビルンガ国立公園(Virunga National Park)」に設置された。同公園はアフリカで最初の国立公園として生物多様性の保全地域となっており、絶滅危惧種のマウンテンゴリラの約4分の1が生息している。

 コンゴの同プロジェクトは、再エネ技術で人々の暮らしや環境の改善に取り組んでいるNPOの「Empowered by Light」との協力によって実現したという。

 同プロジェクトで設置した太陽光発電システムにより、ビルンガ国立公園内で勤務する自然保護官が、保安灯やラジオとなどの電化製品を活用できる。それが、野生動物を保護する業務の遂行に役立つとしている。

 さらに、今回ビルンガに設置された太陽光発電のプロジェクトは、国立公園の周辺に暮らす400万人の居住者にクリーンなエネルギーを届けるという野心的な計画を持つ「ビルンガ・アライアンス(Virunga Alliance)」を補完することにも繋がるという。