KPACシリーズ容量9.8kWhタイプ。左が蓄電池ユニット、右がPCS
KPACシリーズ容量9.8kWhタイプ。左が蓄電池ユニット、右がPCS
(出所:オムロン)
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 オムロンは、既設の太陽光発電に後付け可能な住・産共用の蓄電池システム「KPAC」シリーズから、蓄電池容量を9.8kWhに拡大した新モデルを追加し、10月から販売を開始する。大容量化と急速充放電を両立し、今後成長が想定されるバーチャル・パワー・プラント(VPP)市場に対応する。価格はオープン。

 今年7月に発売したKPACシリーズは、家庭用空気清浄機並みのコンパクトサイズで、太陽光発電を導入済みの小規模産業施設や戸建住宅に後付けし、自家消費ニーズにも対応できる。6.5kWhのLiイオン蓄電池と定格出力2.5kWのパワーコンディショナー(PCS)を組み合わせた。

 今回発表した新モデルでは、6.5kWhタイプのコンセプトを継承して大容量化した。一般的な屋外設置のほか基礎工事が不要な壁掛け設置も可能で、場所を選ばず設置できる。約78kgと軽量で、クレーン搬入が不要となり設置時の工数・工賃を大幅に削減できるという。従来機種との施工性も統一し、太陽光発電を導入済みの施設や住宅に後付できる。

 充放電能力が従来製品(KP55Sシリーズ)と比較して約1.2倍に向上し、VPPなどの分散電源システムに利用できるという。HEMS(住宅エネルギー管理システム)の共通プロトコル「Echonet Lite」、および最新規格のAPPENDIX ECHONET機器オブジェクト詳細規定「Release H」に対応し、蓄電池の遠隔制御にも対応予定。Liイオン電池の容量は9.8kWh、PCSの定格出力は4.0kW。蓄電池の本体寸法は452mm×542mm×228mm。

 このほか同社は、戸建住宅向けの太陽光発電用ハイブリッド蓄電システムを製品化している。「KP48S2」シリーズは、定格容量4.8kWのPCSと容量6.4kWhのLiイオン電池の組み合わせで、屋内設置に対応する。「KP55S」シリーズは、住宅向け太陽光発電システムの大容量化に対応し、定格容量5.5kWのPCSを採用、容量6.5kWhのLiイオン電池は、KP48S2シリーズと比べて奥行きを約30%、体積を約20%削減し、より狭い場所に設置できる。