「爆発的に増えるIoT機器のデータを全てクラウドで処理するのは不可能に近付いている。エッジデバイスで、人工知能(AI)などのアルゴリズムによって処理してからクラウドに上げるニーズが高まっている」(サンダーソフトジャパン 代表取締役社長 兼 北京本社 VPの今井正徳氏)。クアルコムジャパンとサンダーソフトジャパンは共同で、米Qualcomm社の携帯機器向けSoC「Snapdragon」のIoTシステムへの応用に関して発表会を開催(図1)。ネットワークのエッジ側にある機器で、AIを用いてデータを認識する用途で利用が進むとの期待を表明した。
Qualcomm社が定義するIoTの市場とは「モバイル、コンピューティング、オートモーティブ以外の全て」(クアルコムCDMAテクノロジーズ 副社長の須永順子氏)で、既にこの市場向けに1日当たり100万個以上のチップを出荷しているという。ウエアラブル機器やネットワークカメラといった用途別に、Snapdragonを用いた参照設計(レファレンスデザイン)が現在25種類以上ある(図2)。
その一部が、協力メーカーである中国Thundersoft社が開発した「TurboX SOM」シリーズで、ロボット、ドローン、ネットワークカメラ、ヘッドマウントディスプレー(HMD)向けをそれぞれ用意している(図3)。いずれも、ソフトウエアや各種のアルゴリズムなども含めた、いわゆる「ターンキーソリューション」という(図4)。