シンガポールのSolar Bankers Singapore社は8月22日、消費者が発電や電力の融通を自由に行えるエネルギー・コミュニティの開発に資金を提供するための資金調達「新規仮想通貨公開(Initial Coin Offering: ICO)」を11月に行うと発表した。

 同社は、同資金を使ってブロックチェーン技術によるエネルギー事業や高効率な太陽光パネルなどの開発を進める考えだ。ブロックチェーン技術をもつ中国ShellPay社と提携し、発電、送電、配電や交換に必要なあらゆる電力インフラの分散化に取り組む。

 両社は、発電や配電をよりクリーンで効率的にしたいという意向を持つという。

 最新のSolar Bankers社製太陽光パネルを家庭に供給し、それらを地域マイクログリッドに接続することによって、消費者が自分で発電し、余った電力を地元の市場で近所の人に安く売るといったことが可能になるとする(図1)。

図1●Solar Bankers社による地域内の電力融通の概要
図1●Solar Bankers社による地域内の電力融通の概要
(出所:PRNewsfoto/Solar Bankers)
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 太陽光パネルの所有者が収益源を得られるだけでなく、送配電コストが低減できるため、発電しない消費者にも電気代が安くなるメリットがあるとしている。

 Solar Bankers 社は、米国子会社を通じてホログラムに基づくフイルムなどの太陽光発電技術を開発しており、特許も取得している。ホログラムに基づくフイルムを用いると、日光の集光が可能で発電効率の改善や低コスト化を実現できるという。