カメラ部分を回転・脱着できる携帯型のサーモグラフィカメラ「Thermo FLEX F50」シリーズを持つ、日本アビオニクス 代表取締役執行役員社長の秋津勝彦氏。
カメラ部分を回転・脱着できる携帯型のサーモグラフィカメラ「Thermo FLEX F50」シリーズを持つ、日本アビオニクス 代表取締役執行役員社長の秋津勝彦氏。
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 日本アビオニクスは、カメラ部分を回転・脱着できる携帯型のサーモグラフィーカメラ「Thermo FLEX F50」シリーズを発表した(プレスリリース)。カメラ部分を外して観察ができるので、細いすき間や裏側、見下ろしたり覗き込んだりして観察するといったことが容易になる。

 カメラ部分の使用温度範囲は-20~+70℃。カメラ部分を試験品と一緒に恒温槽内に設置し、外に置いたコントローラーから操作して、恒温槽内での試験品の温度変化を観察することができる。同社では今回の製品を「普及機」と位置付けており、希望小売価格は45万~65万円。2017年9月中旬から順次納入する。電装化が進む自動車をはじめとする電子機器の開発や、プラントなどの点検などの用途に向ける。

カメラ部分を恒温槽に入れて使うことも可能。自動車向け電装品の開発を想定して、カメラの使用環境温度を70℃まで高めたという。なお、観察する基板は3cm角以上程度のものを想定している。空間分解能は35°品が2.8mrad、広角70°品が5.3mrad。より細かな分解能が必要になる場合は、上位機種を勧めるという。
カメラ部分を恒温槽に入れて使うことも可能。自動車向け電装品の開発を想定して、カメラの使用環境温度を70℃まで高めたという。なお、観察する基板は3cm角以上程度のものを想定している。空間分解能は35°品が2.8mrad、広角70°品が5.3mrad。より細かな分解能が必要になる場合は、上位機種を勧めるという。
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カメラ部分をコントローラー部分に装着した状態でも使える。カメラ部分は任意方向に回転できる。コントローラー部分の外形寸法は約169mm×92mm×24.5mmで、厚めのスマホといったところ。シンプルな形状のため、堅牢性も高いとする。
カメラ部分をコントローラー部分に装着した状態でも使える。カメラ部分は任意方向に回転できる。コントローラー部分の外形寸法は約169mm×92mm×24.5mmで、厚めのスマホといったところ。シンプルな形状のため、堅牢性も高いとする。
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 今回の製品は、全面にタッチパネル液晶ディスプレーを備えるスマホのようなコントローラー部分(約400g)と、円筒形のカメラ部分(約100g)で構成する。測定温度範囲は-20~+350℃。温度分解能は0.05℃(30℃で)、温度精度は±2℃または±2%(環境温度0~40℃で)。画素数は240×240画素。カメラ部分の外形寸法は約30mm×40mm×130mm。狭ピッチの先端品のセンサーを使うなどして、小型化を実現した。普及機として価格を抑えながら、中級機に近い性能を実現したとする。

 普及機・中級機に一般的な片手持ちのグリップタイプは、三脚や架台への固定に向かない、作業時に片手がふさがる、観察できるアングルに制約があるといった課題があった。今回の製品はネックストラップを使って首にかけることができ、カメラ部分を回転して任意のアングルで観察したり、カメラ部分を外してヘルメットや三脚などに固定して観察することが可能。コントローラー部分、カメラ部分にはそれぞれ三脚ネジ穴があり、市販の三脚などを利用できるとする。