自動ブレーキ向けの車載カメラシステムなどを手掛けるイスラエルMobileye社は、三菱ふそうトラック・バスの全車両に後付けで搭載できる衝突防止補助システム「モービルアイ」の供給を始める(図1)。本体価格は16万円で、取り付け工賃が4万円ほど。Mobileye社の日本における販売代理店を務めるジャパン・トゥエンティワンを通して2017年8月21日に発表した。

図1 イスラエルMobileye社の衝突防止補助システム「モービルアイ」
図1 イスラエルMobileye社の衝突防止補助システム「モービルアイ」
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 Mobileye社は日産自動車の運転支援技術「プロパイロット」を搭載するミニバン「セレナ」やSUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)「エクストレイル」、マツダのスポーツセダン「アクセラ」などに自動ブレーキ用のカメラシステムを供給している。

 今回三菱ふそうに純正アフター品として供給する製品は、先行車や歩行者を検出して運転者へ警報を出すシステム。自動ブレーキ機能は後付けすることはできない。米国では2017年2月から三菱ふそうの小型トラック「キャンター」用で販売しているが、日本市場では初めての導入となる。

 同製品はカメラを搭載した検出器と、液晶画面を搭載した表示器で構成する(図2)。検出器をフロントウインドー上部の室内側に両面テープで張り付けて設置する。車両の車速やウインカー、ブレーキなどの信号を読み取る。追突や車線逸脱、歩行者などを検出して警報を出す他、液晶画面にイラストで表示する。同製品を搭載することで、前方追突事故を約8割減らせるという。

図2 モービルアイを構成するカメラを搭載した検出器(中央)、液晶画面を搭載した表示器(右)
図2 モービルアイを構成するカメラを搭載した検出器(中央)、液晶画面を搭載した表示器(右)
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 検出器が先行車や歩行者を認識できる左右視野は38度で、検出距離は80mである。モノクロで有効画素数30万画素ほどの比較的安価なカメラを搭載する(図3)。先行車両のリアランプを認識できるように、4ドットに1ドットを赤色の認識に対応させた。検出器はCMOSセンサーやカメラレンズ、警報ブザー、画像処理チップ「EyeQ2」などで構成している。大きさは全長122×全幅79×全高43mmで、質量は200gである。