米カリフォルニア州のエネルギー大手であるSan Diego Gas & Electric (SDG&E)社は18日、同州の公益事業委員会(CPUC)が同社の提案した定置型蓄電池の増強を承認したと発表した。

 地域におけるエネルギーの信頼性を強化するために定置型蓄電池の設置を急ぐよう、CPUCが同州南部の電力事業者に対して5月に指示していたという。

 SDG&E社は、太陽光や風力による余剰電力が生じる際に蓄電池に充電し、電力需要がピークとなる夕方早くの時間帯に放電するといった活用を提案している。同社は全米の大手電力事業者としてはメガソーラー(大規模太陽光発電所)の導入量が多い事業者である(関連記事1)。

 定置型蓄電池の提供企業に対して働きかけを行い、提案のあった企業の事前評価を既に完了したという。その結果、CPUCの要望に対する迅速な対応が評価されたとしている。

 7月中旬、SDG&E社は合計37.5MWのLiイオン蓄電池の供給に関してAES社と合意し署名したという。AES社は、先端の蓄電池技術やその他のエネルギー資源を世界中から調達する主要な提供企業である。

 今回の定置型蓄電池プロジェクトでは、サンディエゴ郡のEscondidoとEl Cajonに 同社が保有する土地物件を活用する。AES社が蓄電池を設置し、SDG&E社が保有する。30MWと7.5MWの2つの定置型蓄電池システムとなり、設置工事は直ちに開始され、2017年初めの完了を見込む。

 CPUCはSDG&E社に対して合計165MWの蓄電池を2020年までに調達し、2024年までにそれらを稼働させるよう義務付けている(関連記事2)。