図:タブレットパソコン使用時の表示画面
図:タブレットパソコン使用時の表示画面
[画像のクリックで拡大表示]

 横河電機は、プラントなど製造現場で使われる各種機器を調整・設定・管理するソフト「FieldMate」の新版として、操作性を高めた「同 R3.02」を発売した(図、ニュースリリース)。頻度の高い作業を簡単に実行できるようにしたため、現場での作業時間を縮められるという。

 同ソフトは、Windowsを搭載したパソコンとタブレットパソコンで動作し、メーカーや通信規格を問わずに機器の調整・設定と機器情報の管理を実現できる。機器を設置するための初期設定やプラント操業中の保全作業、機器交換作業などを、直感的な画面表示と簡単な操作手順により実行できるのが特徴とする。主要通信プロトコルであるFOUNDATIONフィールドバスやBRAIN、HART、オープンなソフトウエア実行フレームワークであるFDT/DTM技術、さらにはフィールド無線規格のISA100.11aに対応する。

 新版では、プラントの保守作業で頻度の高い[1]フィールド機器のゼロ点調整、[2]ループテストなどの作業について、ホーム画面に専用のボタンを設けた。[1]は、設置環境や取り付けの姿勢によって生じる誤差を調整する作業。新版では、同社製の差圧・圧力伝送器を校正する際のゼロ点調整を、対象機器と接続してボタンをクリックするだけで実行できるようにした。

 [2]は、機器の信号が指示調整計や制御システムに間違いなく届くかどうかを確認する作業だ。従来は機器ごとに異なる操作で模擬信号を出力していたが、新版では、メーカーや機種にかかわらず同じ操作で入力信号を出力できる。さらに、入力信号の大きさを任意に設定してテストパターンを作成し、保存したり呼び出したりすることが可能になった。この機能によって、作業時間を従来のハンドヘルドターミナル比で2/3に縮められるという。