米Intel社は、米San Franciscoで開催のプライベートイベント「IDF(Intel Developer Forum) 2016」の3日目(2016年8月18日)に、FPGAに焦点を合わせたプライベートイベント「Intel SoC FPGA Developer Forum(ISDF) 2016」を併催した。基調講演には、Intel CEOのBrian Krzanich氏が登壇し、旧Altera社のFPGAユーザーが抱いている疑問のいくつかに答えた。

図1●Altera FPGA上のARMコアを維持 右端はBrian Krzanich氏。Intelのビデオからキャプチャー。
図1●Altera FPGA上のARMコアを維持 右端はBrian Krzanich氏。Intelのビデオからキャプチャー。
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図2●ARMコアを維持する一方で、IAプロセッサーICとの統合も進める Intelのスライド。
図2●ARMコアを維持する一方で、IAプロセッサーICとの統合も進める Intelのスライド。
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 Krzanich氏が自ら冗談交じりに述べたように、旧Altera社ユーザーが最も関心を持っている懸念は、FPGAに混載しているARMコアの存続だろう(図1)。これに対して同氏は「ARMコアを取り除きそこにIA(Intel Architecture)コアを嵌めるようなことしない」と述べている。さらに「SoC FPGA(CPUコアを混載したFPGA)でデフォルトのCPUコアはARM」だとも述べた。

 一方でIAコアベースのIntelのプロセッサーICとFPGAの統合に関しても、積極的に行うことを明らかにした。すでにIntelはBroadwellマイクロアーキテクチャーで14nm FinFETプロセスで製造する「Xeon」と台湾TSMCの20nmプレーナープロセスで製造する「Arria 10」を1パッケージに収めたMCPを発表している(日経テクノロジーオンライン関連記事1)。今回、Krzanich氏が見せたスライドには、Xeonだけでなく、CoreやAtom、QuarkといったほかのプロセッサーICとFPGAを組み合わせることを示していた(図2)。

 Intelの製造受託事業部門(Intel Custom Foundry:ICF)とARMがフィジカルライブラリとPOP(Processor Optimization Package)で手を組むなど(日経テクノロジーオンライン関連記事2)、IntelとARMはモバイル向けプロセッサーICなどで競合するものの、必要に応じて協調もしている。例えば、IntelのIoT向けローエンドマイコンの「Intel Quark D1000」の内部バスは、ARMが開発したAMBA AHBとAMBA APBである(同関連記事3)。