温室効果ガス排出量の推移
温室効果ガス排出量の推移
(出所:富士通)
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自らのCO<sub>2</sub>ゼロエミッション達成に向けた2050年までのロードマップ
自らのCO2ゼロエミッション達成に向けた2050年までのロードマップ
(出所:富士通)
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 富士通グループは8月10日、「富士通グループ環境報告書2017」を公開した。2016年度から3カ年の環境目標である「第8期富士通グループ環境行動計画」における2016年度の実績をまとめたもの。

 それによると、2016年度の再生可能エネルギー利用量は約133GWhで、全体の電力使用量に占める割合は5.2%だった。また、「2018年度までに6%以上に拡大する」という定量目標を新たに設定した。

 第8期環境行動計画では当初、再エネの利用量に関する数値目標を設定していなかったが、グリーン電力の調達が可能な海外地域を中心に積極的に購入・利用するため、新たに定量目標を設定した。今後、再エネの利用効率を高めるエネルギーの地域連携シミュレーターの開発や蓄電池における高効率な充放電制御の研究などに取り組む。

 2016年度の温室効果ガス(GHG)排出量については、2015年度に国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)」に従来以上に取り組み、環境貢献度の高いICTの提供によって737万tの削減に貢献した。

 高効率冷却技術「Vapor and Liquid Loop Cooling」を採用したサーバー製品や13.3型モバイルノートパソコンなど、エネルギー効率の高い製品や資源効率の高い製品開発に取り組んでいるという。

 また、同社グループ事業拠点におけるGHG排出量は、施設の省エネ対策や製造プロセスの効率化などにより、2013年度比1.6%増に抑制するという目標に対して、同9.4%を削減し、目標を大きく上回った。今後、事業拠点のエネルギー消費量の見える化、データセンターにおけるJIT(Just In Time)モデリング空調制御やAI(人工知能)による学習制御技術など新技術で空調設備の効率化によるGHG排出削減に取り組む。

 このほかにも同社グループでは、5月に策定した中長期環境ビジョン「FUJITSU Climate and Energy Vision」で、2050年度までに自らのCO2ゼロエミッションを策定した。ロードマップでは、技術の普及、経済性の観点などを踏まえて3つのフェーズに分けて脱炭素化を目指す。この削減シナリオは、科学的根拠のある水準として、国際的なイニシアチブ「Science Based Target(SBT)」に承認された。