米国の再生可能エネルギー開発事業者であるSolarReserve社はオーストラリアで出力150MWの集光型太陽熱発電(CSP)を建設する。南オーストラリア州(SA)ポート・オーガスタ(Port Augusta)付近に立地し、プロジェクト名は「オーロラ(Aurora)」。

 同社は8月14日、CSPを建設する長期の発電プロジェクト契約(GPA)をSA政府と締結したと発表した(図1)。

図1●米SolarReserve社が豪州に建設する「オーロラ」と同じ技術で建設した集光型太陽熱発電所
図1●米SolarReserve社が豪州に建設する「オーロラ」と同じ技術で建設した集光型太陽熱発電所
(出所:Business Wire)
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 「オーロラ」は、オーストラリアでは初めてのCSPプロジェクトとなる。太陽熱の蓄熱媒体として溶融塩を使用することが技術的な特徴。蓄電容量は1100MWhで、これはCSPとして世界最大規模という。

 GPAは再エネ発電事業で一般的な電力購入契約(PPA)に類似したものだが、一定期間にkWh単位で電力の供給量を定めるだけでなく、電力需要のピーク時に供給可能な容量を規定している点が異なる。

 このため、「オーロラ」は電力価格の高い時間帯に電力取引市場(NEM)にさらに設備容量を提供することで、市場での競争を促すだけでなく、エネルギーの安定供給や電力網の安定化といった効果をもたらすことが期待されている。