最大案件はパキスタンの300MW、日本市場は失速

 2016年上半期のクリーンエネルギー投資で最大のカテゴリーは、従来と同様に再生可能エネルギーのプロジェクトにおける資産投資であり、世界全体では前年同期比で19%減の920億ドルだった。

 第2四半期で最大の資産投資案件は、欧州の洋上風力発電プロジェクトだった。英国沖の588MW「Beatrice」プロジェクトにおいて最終的に下された投資判断の39億ドルを筆頭に、ドイツやデンマークの大規模な洋上風力発電プロジェクトが目白押しとなっている。

 太陽光発電で最大の投資案件は、パキスタンに立地する出力300MWの「AZTE Quaid-e-Azam太陽光発電所」で、推定プロジェクト総額は3億6300万米ドルである。

 小規模(small scale)太陽光発電プロジェクトには、2016年上半期に195億ドルが投資されたが、この数字は前年同期比で32%の減少となった。

 その要因の大半はコストの下落だが、これらの太陽光発電システムの最大の市場である日本が失速していることも影響しているという。日本市場では、上半期に46億ドルの太陽光発電システムが導入されたが、前年同期比では66%の減少となっている。

クリーンエネルギー関連グローバル投資額の推移(四半期ごと、単位:10億米ドル)
図 クリーンエネルギー関連グローバル投資額の推移(四半期ごと、単位:10億米ドル)
(出所:ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス)
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