太陽光発電を活用したマイクログリッドシステム
太陽光発電を活用したマイクログリッドシステム
(出所:NEDO)
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オープニングセレモニーの様子
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(出所:NEDO)
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実証事業のシステム構成
実証事業のシステム構成
(出所:NEDO)
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 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は8月14日、日印共同の「デリー・ムンバイ間産業大動脈構想」のもと、インド・ラジャスタン州ニムラナ工業団地のユーザー企業に対して、太陽光発電を活用して電力を安定供給するマイクログリッドシステムの実証を開始したと発表した。

 出力1MW規模の太陽光発電システムと複数のディーゼル発電機を連係し、ディーゼル燃料の消費量を抑制しながら電力の安定供給を実現するマイクログリッドシステムを構築した。同工業団地内にあるミクニの現地子会社MIKUNI INDIA社に電力を供給することで同システムの有効性を実証し、インドでの普及を目指す。

 また、インドの厳しい日射環境下で日本製の薄膜太陽光パネルが設計通りの性能を発揮し、安定した電力を供給できることを確認するため、同工業団地内に5MW規模の薄膜太陽電池(アモルファスシリコン型、CIS化合物型)の太陽光発電設備を設置し、2015年7月から発電性能などの実証試験を行っている。

 日立製作所、日立システムズ、伊藤忠商事、インドのデリー・ムンバイ産業大動脈開発公社(DMICDC:Delhi Mumbai Industrial Corridor Development Corporation Limited)との共同事業。期間は2017年度~2019年度の予定。予算規模は約39億円(うちNEDO委託分は34億円)。実証開始にあたり、8月11日に現地でオープニングセレモニーを開催した。

 インドでは、経済発展に伴い電力需要が年平均4.9%で伸びており、2025年までに中国と米国に次ぐ電力消費大国になる見込み。一方、慢性的に供給電力が不足し、不安定な状況で、生産設備を持つ企業は操業に必要な電力の安定供給を強く求めている。また、インド政府は、2022年までに175GW(太陽光・熱発電100GW、風力60GW、バイオマス10GW、小水力5GW)の再生可能エネルギー導入目標を掲げている。