「セキュレア豊田柿本」
「セキュレア豊田柿本」
(出所:大和ハウス工業)
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調整池上部の太陽光パネル
調整池上部の太陽光パネル
(出所:大和ハウス工業)
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電力融通街区のイメージ
電力融通街区のイメージ
(出所:大和ハウス工業)
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 大和ハウス工業は8月5日、愛知県豊田市柿本町に開発・建築中の戸建て環境配慮型分譲地(スマートタウン)「セキュレア豊田柿本」(全21戸)の街びらきを行ったと発表した。すでに10戸が竣工済みで、8月22日から引き渡し・入居を開始する。一部の住宅などのエリアについては、設置した太陽光発電の電力を互いに融通する仕組みを導入する。

 スマートエコタウン内では、21戸のうち特定の住宅(3戸)とスマ・エコステーション(集会スペース、電気自動車・充電器、防犯灯、防犯カメラ)を「1つの電力需要場所」(電力融通街区)とし、大和ハウスグループの電力小売事業者である大和エネルギーが一括受電して各戸に電力を供給する。

 電力融通街区内の各住宅には、太陽光パネルと家庭用Liイオン蓄電池(12.4kWh)を備えている。また、同街区内のスマ・エコステーションの集会所屋根と調整池上部には合計出力約13kWの太陽光パネルと、Liイオン蓄電池(6.2kWh)を設置した。

 これらの太陽光の発電電力は、固定価格買取制度(FIT)を活用して全量を大和エネルギーに売電し、同社は3戸の顧客(住宅)に電力を供給する。蓄電池への充電を含め、街区内の需要が太陽光からの供給を下回った場合、余剰分を中部電力に売電する。また、逆に太陽光と蓄電池からの供給量が需要を下回った場合は、中部電力から受電して供給する。

 大和ハウスでは、調整池と集会所の太陽光を含めると、電力融通街区では、ネット・ゼロ・エネルギーを実現できると見ている。FITを利用しつつ、託送料金の要らない自営線で電力を融通する割合が多くなりそうなことから、供給電力のコストを抑えられる可能性が高い。顧客にとっては、電気代の削減につながる見込みだ。

 今回のスマートタウン内での電力融通プロジェクトは、豊田市が2015年2月に行った「市有地売却に伴うプロポーザル」に応募し、採択されたもの。