入札制度の流れ
入札制度の流れ
(出所:経産省・入札実施要項・平成29年度版)
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 経済産業省は8月8日、大規模太陽光発電の入札制度に参加する事業者が指定入札機関に納める手数料を1事業計画当たり12万7000円と公表した。

 太陽光発電の入札制度は、今年4月1日に施行された固定価格買取制度(FIT)の改正法により創設された。2MW以上の太陽光発電が対象で、第1回の入札を10月27日~11月10日の期間で実施する。

 第1回の入札に参加するには、9月15日までに事業計画を提出し、9月22日までに今回、公表された手数料(12万7000円)を納付する必要がある。手数料は、指定機関が入札業務を運営するために必要な実費を賄うためのもので、入札する容量に関わらず一律に納付し、返還されない。経産省は当初、「手数料は、1案件で数十万円のイメージ」としていたので、やや低く抑えられたともいえる。

 同省は、入札制度に関して、2017年度から3年間は試行期間と位置づけ、3回で合計1~1.5GWを落札する方針を示している。2017年度は0.5GWを募集し、入札できる上限価格は21円/kWhとしている。

 入札参加者は事業計画を提出後、参加資格を得られた場合、保証金を納付する必要がある。入札実施前に払い込む「第1次保証金」は500円/kW、落札者が認定申請前に払い込む「第2次保証金」は5000円/kWとなる。落札者については、第1次保証金を第2次保証金に充当し、追加の負担額は4500円/kWとなる。

 保証金は、適正な入札実施を担保するためのもので、落札できなかった場合、第1次保証金は返納。落札者は、運転開始後に第2次保証金が返納される。ただし、事業計画に自ら記載した運転開始予定日までに稼働しない場合、第2次保証金は全額没収される。

 手数料が決まったことで、入札制度の参加にかかるコストがほぼ明らかになった。当初の見込みより、手数料は抑えられたものの、仮に10MWの事業計画で入札する場合、保証金総額は5000万円となり、返還されるまでの金利負担が生じることになる。落札できなかった場合は、手数料と金利が直接的な経済損失となる。