Powin Energy社の蓄電システム
Powin Energy社の蓄電システム
(出所:サンテックパワージャパン)
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 中国の大手太陽光パネルメーカーの日本法人、サンテックパワージャパン(東京都新宿区)は、国内の太陽光発電向けに、蓄電システムの販売を強化していく。

 九州の離島や北海道で顕在化している周波数変動対策や、今後、予想される電力会社による出力抑制に対応した需要などを取り込む。

 サンテックグループを買収した順風グループは、周辺分野まで含めたトータルソリューションに事業分野を拡大する一環として、米国の蓄電システムメーカーであるPowin Energy社を傘下に加えている。

 このPowin Energy社の蓄電システムを、日本の太陽光発電所向けにも展開していく。系統安定化向けや、固定買取価格制度(FIT)の終了後を睨んだ自家消費向けを想定している。

 Powin Energy社は、米オレゴン州に本拠を置く。蓄電池セル(充放電素子)は中国で生産し、その後のシステムは米国で構築している。

 再エネ出力変動対策向けでは、北米で3件の実績があるという。いずれも電力会社向けである。

 一つは、米Southern California Edison(SCE)社向けの出力2MW・容量8MWhの蓄電システムである(関連コラム)。すでに稼働済みとなっている。

 次に、米San Diego Gas & Electric(SDG&E)社向けのシステム(出力6.5MW・容量26MWh)で、これは開発中となっている。

 SDG&E社は、5カ所・合計出力83.5MWの定置型蓄電池システムの設置に関する契約先として、Powin Energy社が含まれていることを明らかにしている(関連ニュース1)。

 さらに、カナダのオンタリオ州の独立系統運用機関、Independent Electricity System Operator(IESO)向けの蓄電システム(出力12.8MW・容量52.8MWh)がある。これも、開発中となっている。

 同機関は、アンシラリーサービス(周波数制御などの系統運用関連サービス)や、再エネの出力変動吸収向けに、複数のエネルギー貯蔵プロジェクトを手掛けていることで知られる(関連ニュース2同ニュース3)。