中国の大手太陽光パネルメーカーの日本法人、サンテックパワージャパン(東京都新宿区)は、太陽光発電所のO&M(運用・保守)の受注状況を明らかにした。
当初は、自社が開発・運営している太陽光発電所向けのみだったが、ここにきて他社が開発した案件の受注が相次いでいる。
2016年時点では、自社開発の6カ所・合計出力約9.9MWにサービスを提供していた(関連コラム)。
2017年に入り、まずLIXILが開発・運営している2カ所のメガソーラー(大規模太陽光発電所)が加わった(関連ニュース)。これによって8カ所・合計出力約19MWに増えた。
LIXILの須賀川工場(福島県)内の出力6.35MW、有明工場(熊本県)内の出力約3.75MWで、いずれもサンテック製のパネルを採用したメガソーラーである。
さらに、他社が開発し、サンテック製ではない太陽光パネルを採用した太陽光発電所のO&Mも受注した。
合計出力約3.6MWで、いずれも中国インリー・グリーンエナジー・ホールディング製のパネルを採用している。これによって合計で11カ所・出力約23MWに増えた。
3.6MWの内訳は、千葉県にある低圧分割案件(17分割)の合計出力853.74kW、北海道の高圧連系の1.554MW、長野県の1.2096MWのメガソーラーで、千葉県の低圧分割案件は5月からサービス開始ずみ、北海道と長野県の高圧案件はそれぞれ8月、9月からサービスを開始する。
千葉の低圧分割案件は、O&Mをはじめて委託したという。経済産業省が、固定価格買取制度(FIT)の改正法でO&Mの重視を打ち出したことなどで、こうした低圧分割の発電所の一部においても、安全や発電ロスなどに対する意識が高まってきた表れとも言える。
北海道と長野県の高圧案件は元々、他のO&M事業者に委託しており、サンテックのサービスへの乗り換えとなった。
いずれも、サンテックが2016年6月と11月に実施した「O&Mお試しキャンペーン」の提供先だったという。
このキャンペーンには、十数カ所の太陽光発電所から応募があった。今回公表した3カ所を含む、4カ所でO&Mの受注につながったとしている。
こうしたO&Mのサービス提供先の増加とともに、体制を増強している。遠隔監視センターの設備を増強するとともに、船井電機の子会社と提携し、全国のサービス拠点を160カ所に増やしている(関連ニュース2)。