ディスコは、SiCインゴットからSiCウエハーを切り出すのにレーザーを利用する新たなプロセス「KABRA(カブラ)」を開発した(発表資料)。ワイヤーソーを利用する従来方法に比べて、SiCウエハーの生産時の加工時間を約1/4に、生産枚数を約1.5倍に高められるという。今回の加工法は、既に一部の顧客が試験運用中である。

 SiCインゴットからSiCウエハーを切り出す際、現在はダイヤモンドのワイヤーソーで加工するのが主流である。ただし、この加工法には大きく2つの課題がある。1つは、SiCは非常に硬いので、加工に時間がかかること。もう1つは、ワイヤーソーでの切断部分の素材ロスが多く、インゴット1本から取れるウエハーの枚数が少なくなることである。これらが、SiCウエハーの生産効率の低下を招いており、コスト高の一因になっていた。そのため、SiCパワー素子のコスト上昇につながっていた。