受配電システム製作所「中低圧直流配電システム実証棟」
受配電システム製作所「中低圧直流配電システム実証棟」
(出所:三菱電機)
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 三菱電機は8月1日、直流1500V以下の直流配電システムを事業展開すると発表した。香川県丸亀市にある受配電システム製作所「中低圧直流配電システム実証棟」を主要拠点に製品開発を進める。システム提案を強化し、2025年度までに売上100億円以上を目指す。

 直流で出力する太陽光発電と蓄電池の利用拡大やビルのZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化などを背景に、直流配電システムが注目されている。従来の交流配電に比べ、交流・直流の電力変換回数や変換ロス削減により省エネになる。

 三菱電機は、中低圧直流配電システム実証棟を2016年7月に稼働させ、開発を進めてきた。すでに380V級の直流配電システムを開発・実証した。その結果を基に製品・システム群を拡充し、順次、380V級システムを市場投入していく。また、2017年度から1500V級システムに適用範囲を拡大し、国内・海外市場に展開する予定という

 直流には交流のような周波数がないため、複数の電源を並列接続する場合に同期を考慮する必要がなく、太陽光・風力などの分散型再生可能エネルギーを容易に接続できる。

 三菱電機は、本格的に営業展開するのを機に、トータルブランドをスマート中低圧直流配電システム「D-SMiree(ディースマイリー)」とし、データセンターやビル、工場、駅の省エネに貢献できる直流配電システムを開発・提案し、受注を目指す。

 「D-SMiree」は、直流配電技術に加え、最新のスマートグリッド関連技術や蓄電池最適制御技術などによって「創エネ」「蓄エネ」「省エネ」を実現し、用途にあわせた信頼性と経済性を両立する配電システムを目指すという。