あぜ型微細藻類培養プール
あぜ型微細藻類培養プール
(出所:ユーグレナ)
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 ユーグレナと小橋工業(岡山市)は、日本の水田造成のあぜ塗り技術を応用した「あぜ型微細藻類培養プール」を建設し、7月31日からユーグレナの藻類エネルギー研究所(三重県多気町)にて稼働を開始した。微細藻類ユーグレナ(ミドリムシ)をはじめとする燃料用微細藻類の生産コスト削減に向けた共同研究を推進する。

 ユーグレナは、2005年に世界で初めてミドリムシの屋外大量培養技術を確立した。ミドリムシを活用した機能性食品、化粧品などの開発・販売を行うほか、バイオ燃料の生産に向けた研究を行っている。また、小橋工業は、ロータリー、あぜ塗り機、代かき機などのトラクター用作業機と耕うん爪を開発・製造・販売する。

 両社は、2014年9月に微細藻類の効率的かつ安定的な培養方法に関する共同研究開発契約を締結し、水田造成技術を応用した燃料用微細藻類培養プールの建設方法の確立や、建設コスト低減に向けた共同研究を進めてきた。

 今回、稼働した「あぜ型微細藻類培養プール」は、小橋工業の水田造成技術を応用し、あぜ型に固めた土壌で建設した。コンクリートで施工した培養プールに比べて建設コストが約10分の1に抑えられるほか、工期も約4分の1に短くなり、大量に必要となる燃料用微細藻類の生産コスト削減や生産量拡大へ迅速に対応できるようになる。

 なお、今回建設した培養プールの規模は1基で約1000m2で、培養規模の拡大に合わせて約3000m2まで増設する予定。今後も同方式の培養プールのさらなる大規模化と効率化に取り組んでいく。