変更認定に伴う価格変更ルールは見直しに
変更認定に伴う価格変更ルールは見直しに
(出所:経済産業省)
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 経済産業省は7月29日、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)を見直す改正再エネ特別措置法(以下、改正FIT法)に伴う、改正省令(新規則)を公布した。新認定制度の要件となった「運転開始期限」については、当初の方針通り、遅延理由や規模などで例外を設けない形になった。

 改正省令では、第5条・第1項で新認定制度における認定基準を列挙した。太陽光に関しては、以下10項目を挙げた。

 (1)発電事業計画が明確に定められていること、(2)本来、一体で開発する案件を分割認定申請しないこと、(3)保守点検・維持管理の体制を整備・実施すること、(4)送配電事業者からの出力制御に協力すること、(5)事業者情報を記載した標識を掲示すること(20kW未満を除く)、(6)・(7)発電事業の開始と実施に関する情報を経済産業大臣に提供すること、(8)発電事業を廃止する際の計画が適切であること、(9)10kW以上については、認定取得から3年以内に運転を開始できる計画であること、(10)10kW未満については、認定取得から速やか(1年以内)に運転開始する計画であることーー。

 (9)の運転開始期限を超過した場合、買取価格を認定時の価格から毎年一定割合(例:5%)下落させるか、買取期間を短縮させる方式を、調達価格等算定委員会の議論を踏まえて決定する、としている。

 また、第6条で「再エネ事業を円滑かつ確実に実施するために必要な関係法令(条例を含む)の規定を遵守すること」と明記した。経産省は、改正FIT法の説明会などで、「他法令に違反した場合については、最終的にFIT法に基づく認定の取り消しを可能にする」と説明している。

 経産省は同日、改正省令による「運転開始期限」の設定に対応し、「変更認定に伴う価格変更ルール」を見直す告示を公布した。

 従来の価格変更ルールでは、運転前に「太陽光パネルメーカーの変更」「パネルの種類の変更」「パネルの変換効率の低下」「出力の増加」「10kWかつ20%以上の出力減少」となった場合、買取価格を変更していた。

 新ルールでは、運転前にこうした変更認定の事由があっても、「出力の増加」を除いて、買取価格を変更しないことにした。この新ルールは、2016年8月1日以降に接続契約を締結した太陽光発電設備に適用する。

 経産省は、「例外のない運転開始期限を設定することに対して異論もあるが、太陽光パネルを変更し、価格下落の恩恵を得ることで、事業性を確保してほしい」との見解を示している。