オンライン診察のイメージ
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オンライン診察後、院内で生薬を調剤して自宅に郵送
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 北里大学東洋医学総合研究所は、漢方外来患者向けの遠隔診療を2017年9月に開始する。メドピア連結子会社のMediplatと業務提携し、同社のオンライン医療相談サービス「first call(ファーストコール)」を利用する。対面診療を行った上で、長期処方の適用になった患者などに対してオンライン診療を活用し、定期的な診察と処方薬の調整を実施する。

 同研究所は、1972年に日本初の漢方医学の総合的な研究機関として設立。診療を担う漢方鍼灸治療センターでは、西洋医学に加え東洋医学を専門に学んだ漢方のエキスパートが在籍し、自由診療によって個々の患者に適した生薬(しょうやく)をオーダーメイドで処方することを特徴としている。日本全国から漢方医療を求める患者が集まることから現在は、遠方などを理由に通院が困難な患者向けに、半年分の処方をあらかじめ決定した上で、1カ月ごとに生薬を調剤して郵送する長期処方を行っている。

 今回開始する遠隔診療は、対面診療を原則とし、主に長期処方の適用患者のうち医師が遠隔診療を導入しても問題ないと判断した患者を対象に実施する。患者の具体的な利用の仕方としては、まず2017年9月公開予定のサービス専用サイトに会員登録を行う。担当医師のスケジュールを確認し、都合の合う日時で予約を行い、予約日時になったら専用サイトよりテレビ電話を起動して診察を開始。医師による15分間の診察の後、薬剤師による処方薬の説明も行われるという。診察後、院内処方によって調剤された漢方薬が自宅に郵送される。なお、開始当初はクレジットカード決済のみの支払にするという。

 漢方の効果を最大限に高めるためには、医師と薬剤師からの定期的な診察と指導によって、漢方の正しい理解の促進とその時々の患者の状態に合わせた処方薬の調整を行うことが重要とされる。従来の長期処方の患者ではこの点が課題だったが、今回の遠隔診療導入により、遠方の長期処方患者に対しても定期的な診察と処方薬の調整を行うことが可能になるとしている。