人工股関節をカスタムメイドで
人工股関節をカスタムメイドで
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 金属3Dプリンターによる製造受託サービスを手掛けるJ・3D(名古屋市)は、名古屋市立大学病院と共同で「カスタムメイド人工股関節」の開発を始めた。金属3Dプリンター技術とX線CT技術を組み合わせ、患者個々人にカスタマイズした人工股関節を作製する。患者の病状に合わせた設計にできるため、病気や怪我に伴う関節の痛みを取り除き、正常な股関節の動きを取り戻せる。

 今回のカスタムメイド人工股関節では、日本初をうたう試みとして金属3Dプリンターを採用。X線CT画像データからの骨形状データ抽出や3次元化、製品製造までの一連のプロセスを通じ、従来は別々の部品として製造していたものを一体化した形で設計できるようにした。

 今後、最適な人工股関節を症例ごとに開発し、試作造形を繰り返す。強度試験などを経て、カスタムメイド人工股関節の提供体制を確立することを目指すという。

 高齢化に伴い、人工股関節などインプラント製品を埋め込む手術の件数は増加中だ。ただし現行の人工股関節は外国製が90%を占める。加えて、既製品を埋め込むため、その形状に合うように患者の生体骨を削って調整する必要がある。