ディー・エヌ・エー(DeNA)とイオンは2016年8月1日に、自動運転車両を利用した交通システム「ロボットシャトル」の試験運行を、千葉市美浜区の「イオンモール幕張新都心」に隣接する豊砂公園で開始した(図1)。今回の試験運行は、千葉市が所有しイオンの関連会社「イオンモール」が一部を管理する同公園に往復500mの専用レーンを設定し、8月11日(6日を除く)まで行う予定である。利用料は大人が200円、小学生以下の子供が100円(2歳未満は無料)に設定した。

図1 「EZ10」を用いた試験運行の様子
図1 「EZ10」を用いた試験運行の様子
[画像のクリックで拡大表示]

 試験運行で使用する車両は、フランスEasyMile社が開発した12人乗りの無人運転電気自動車(EV)の「EZ10」である(図2)。DeNAは日本におけるEZ10の走行に際して、EasyMile社との間で独占契約を結んでいる。これまでも試験走行は行ってきたが、一般の乗客を乗せるのは今回が初めてである。同公園は公道ではないため無人運転車の走行は可能だが、地元の警察には走行ルートの確認をしてもらい、了承を得ているという。

図2 「EZ10」の車内
図2 「EZ10」の車内
[画像のクリックで拡大表示]
図3 非常停止用ボタン
図3 非常停止用ボタン
[画像のクリックで拡大表示]

 自動運転のプロセスは、最初に専用コントローラーを使って手動で走行ルートを走らせ、屋根の上に取り付けたGPS(全地球測位システム)と全方位LiDAR(レーザーレーダー)、ウインドー上部に取り付けた単眼カメラを用いて自動走行用の地図データを作成し、そのデータに従って走行する(関連記事1)

 走行中は車体下部の四隅に取り付けたLiDARで障害物を検知し、衝突しそうな場合は自動でブレーキをかけて停止する。さらにオペレーターを乗務させ、緊急の場合は車内の非常停止ボタンを押して車両を停止させる(図3)。また、走行レーンの両脇に樹脂製のフェンスを設けた他、警備員を配置するなど、安全に万全を期した。