三井不動産は、同社が出資する空撮画像から3次元モデルを作成するサービスの開発を手掛けるイスラエルのベンチャー企業Dronomy社と、都心の建設工事の施工管理にドローンを活用する実証実験を行った(図1)。ドローンを自律飛行させて、建設現場を空撮し、施工中の建物の3次元モデルを作成する。3次元モデルを定期的に作成して、過去のモデルとの比較による工事の進捗状況の管理や、品質管理などに利用できるとする。

図1 日本橋(東京都)エリアで空撮するドローン(写真:三井不動産)
図1 日本橋(東京都)エリアで空撮するドローン(写真:三井不動産)
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 Dronomy社が開発した自律飛行技術は、建物の側面に5m程度まで近づいて飛行可能な特徴がある。周囲の建物が多い都心部などでも空撮時の死角を少なくでき、建物の側面に書かれた文字など壁面の細かい形状まで3次元モデルに反映できる。自律飛行による空撮を手掛ける企業は多いが、そのほとんどは、建物よりも高くドローンを飛ばして撮影する。「建物の横を自律飛行できる技術を持っていたのは、我々が調べた限り2016年の段階でDronomy社だけ」(三井不動産 ベンチャー共創事業部 事業グループ 主事の能登谷寛氏)。使用するドローンは中国DJI社のPhantom 4で、Dronomy社はそのフライトコントローラーを開発した。ハードウエアはPhantom 4をそのまま利用し、カメラなどセンサー類の追加はない。