メディカル・データ・ビジョン(MDV)は、iPadを活用した実臨床データ検索サービスの試験運用を2016年7月に開始する。まずは、症例数の多い5領域(がん、循環器、消化器、呼吸器、糖尿病代謝障害)に限定した情報を、急性期病院7病院の医師などに提供していく。

 これまでMDVは、病院向けに経営分析システムを提供。同システムを導入している病院のうち、2次利用の許諾を得た1470万人(2016年6月末現在)の診療情報で構成する診療データベースを基に、主に病院や製薬メーカー向けの各種分析サービスを提供してきた。今回は、より一層の医療の質向上、患者メリット創出を目的として、さらなる診療データ活用を図るため実臨床データ検索サービスの試験運用を開始することとなった。

 今回のサービスの提供によって、医療従事者にとっては薬剤を選択する際や患者への処方説明の際の一助になるという。また、iPadを活用することで、サービス提供の利便性を高めるとともに、セキュアーな運用環境を担保するとしている。

 2016年秋ごろに正式なサービス提供を予定しており、データ利活用に関する新たなノウハウを蓄積していく。また、同社は今回、Apple社や他社のソリューションにも精通したプロのサービスプロバイダー、ITコンサルタントのネットワークである「ACN」(Apple Consultants Network)の認定資格を取得。「iOSとネイティブアプリを活用した診療情報を扱う初の企業になった」(同社)という。今後、Apple社が開発・提供するiOSプラットフォームを活用したサービス展開を計画している。