大塚製薬と日本IBMの共同出資会社「大塚デジタルヘルス」は2016年7月28日、報道機関向け説明会を東京都内で初めて開催した。IBM Watsonを活用した精神科向け電子カルテ解析ソリューション「MENTAT」の提供を同年7月に始めており、その概要や活用事例を紹介した。

登壇した清水氏
登壇した清水氏
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 大塚デジタルヘルスは大塚製薬が85%、日本IBMが15%を出資し、2016年6月17日に事業を開始した新会社(関連記事1同2)。精神科領域を中心に、デジタルヘルス分野のソリューション事業を手掛けていく。セミナーには大塚デジタルヘルス 代表取締役社長の清水泰喜氏が登壇し、大塚製薬が手掛けてきた医薬品製造・販売とは異なる「新しいアプローチで医療に貢献したい」と意気込みを語った。

 大塚製薬はかねて「医療に創薬で貢献してきたが、別の方向からチャレンジできないかと模索してきた」(清水氏)。そこで着目したのが、IBM社の技術。両社の協業は、米国での警察の配備にIBM社のビッグデータ解析技術が使われているさまを目にした大塚製薬社長(当時)の故・岩本太郎氏が、その技術を医療に生かせないかと考えたことに端を発するという。2014年ごろから大塚製薬と日本IBM、桶狭間病院 藤田こころケアセンター理事長の藤田潔氏の3者が連携し、MENTATの開発を進めてきた。