NECは2017年7月25日、AI(人工知能)技術群「NEC the WISE」の1つであるディープラーニング技術「RAPID機械学習」を、米NVIDIA社のGPUで実行可能にしたことを発表した(ニュースリリース)。NVIDIA社のGPUアクセラレーター「Tesla P4」を搭載したサーバーでRAPID機械学習を実行すると、汎用CPUだけで処理する場合に比べて「学習時間を10分の1に短縮し、実運用時の予測処理を10倍高速化できる」(NEC ITプラットフォーム事業部事業部長代理の馬渕淳氏)という。

 同時にNVIDIA社のGPUアクセラレーターが搭載可能なサーバーとして「Express5800/D120h」「Express5800/R120h-1M」「Express5800/R120h-2M」も発表した。Express5800/D120hは2Uサイズに4ノードを搭載可能なモジュラーサーバー。GPUアクセラレーターを搭載した場合は2ノード構成となる。各ノードは2ソケット、メモリーは最大2Tバイトであり、プロセッサーは米Intel社が2017年7月に発表したデータセンター向けプロセッサー「Xeonスケーラブル・プロセッサー」を搭載する。

モジュラーサーバーのExpress5800/D120h
モジュラーサーバーのExpress5800/D120h
上にあるのがGPUアクセラレーター
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 Express5800/R120h-1MとExpress5800/R120h-2Mは2ソケットのラックマウントサーバー。R120h-1Mは1Uサイズで内蔵ストレージを最大11台、R120h-2Mは2Uサイズで内蔵ストレージを最大30台搭載できる。これらもXeonスケーラブル・プロセッサーを搭載する。

1UサイズラックマウントサーバーのExpress5800/R120h-1M
1UサイズラックマウントサーバーのExpress5800/R120h-1M
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2UサイズラックマウントサーバーのExpress5800/R120h-2M
2UサイズラックマウントサーバーのExpress5800/R120h-2M
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 Xeonスケーラブル・プロセッサーは最大28コアの「Platinum」から最大8コアの「Bronze」まで5つのグレードがある(関連記事「『この10年間で最も大きな進化』、Intelが新世代Xeonを発表」)。今回発表したサーバーは、これらのグレードから必要な処理性能に合わせて自由にプロセッサーを選択できる。ただし、Express5800/D120hは高密度実装を優先するため、最大コア数を26としている。

 価格は、RAPID機械学習のGPUアクセラレーター対応版が2250万円(税別、以下同)、汎用CPU版が375万円。サーバーは、Express5800/D120hが1ノードあたり37万5000円(税別、以下同)から、R120h-1Mが56万8000円から、R120h-2Mが64万円から。出荷開始日は、RAPID機械学習が2017年8月1日、D120hが2017年9月26日、R120h-1MとR120h-2Mが2017年8月23日を予定する。