若洲ゴルフリンクスに導入したソーラーカーポート
若洲ゴルフリンクスに導入したソーラーカーポート
バスの駐車を想定し、高さは7.2mとした(出所:国光施設工業)
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八王子給水事務所に導入したソーラーカーポート
八王子給水事務所に導入したソーラーカーポート
(出所:国光施設工業)
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 大規模施設の電気設備工事を手掛ける国光施設工業(東京都大田区)は7月6日、東京都ソーラーカーポート普及促進モデル事業において、2カ所で太陽光発電システム付きのカーポートが完成したと発表した。

 同モデル事業は、太陽光発電の導入において、土地代が高い、設置場所の確保が困難といった東京都特有の課題を解決する目的で、都の施設の駐車場に太陽光発電システム付きのカーポートを導入し、設置時の課題などを検証する。

 駐車場の機能を損なわないように設置し、発電システムの設置後も、利用客や都職員用の駐車場として使い続けるため、一般的な地上設置型に比べて、土地を有効活用できるとしている。

 太陽光パネルは、屋根の代わりになる。夏の強い日差しを避ける効果によって、車内温度の上昇を防ぐ、雨除けになるといった副次効果も期待している。

 発電した電気は、すべて設置した施設で使い、固定価格買取制度(FIT)による売電はしない、自家消費型の太陽光発電システムとして運用する。

 同社は、空港や工場、病院、大型ビルなどの電設工事を主業とし、最近では、公共・産業用向け太陽光発電所のEPC(設計・調達・施工)サービス、O&M(運用・保守)にも注力している。

 同モデル事業の設置事業者として、2015年8月から、企画提案、調査、設計、施工に着手し、2016年3月29日に東京都立若洲海浜公園 若洲ゴルフリンクス、東京都水道局八王子給水事務所の2カ所でソーラーカーポートを完成させた。

 若洲ゴルフリンクスは、江東区若洲にあり、乗用車7台分のソーラーカーポートを設置した。出力は18.0kWで、バスなどの大型車が駐車できるように、高さ7.2mにパネルを設置した。

 八王子給水事務所は、八王子市元本郷町にあり、乗用車8台分のソーラーカーポートを設置した。出力は15.0kWとなっている。

 同社では、太陽光発電所の適地の減少や、連系の制約、FITの買取価格の低下などから、今後は、電力需要地である首都圏の工場・商業地域において、駐車場の上空を有効活用したカーポート型の太陽光発電システムの需要が増加するとみている。

 自社によるカーポート型太陽光発電システムの導入目標として、2017年度に合計出力10MWを掲げている。

 今回のモデル事業による知見を生かし、工場の従業員駐車場や大規模商業施設の駐車場に、カーポート型太陽光発電システムの導入を提案していく。