車両安全性に関する考え方
図1 車両安全性に関する考え方
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NHTSA長官のMark Rosekind氏
図2 NHTSA長官のMark Rosekind氏
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レベル2に関する「Human Performance Research」
図3 レベル2に関する「Human Performance Research」
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 米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)は、自動運転に関するシンポジウム「AUVSI Automated Vehicle Symposium 2016」(2016年7月19~21日、米カリフォルニア州)において、2016~17年に行う予定の自動運転の安全性改善研究・調査の一部を発表した。NHTSAが現在取りまとめを進めている「自動運転車の開発や法整備に関するガイドライン」を念頭に置いたものである。

自動運転ガイダンスの発表は「今夏の後半」


 当初、同ガイドラインは2016年7月中に公開される予定とされてきた。しかし、米国では5月に発生した米Tesla Motors社の「Model S」の自動運転機能使用中の死亡事故をはじめ、自動運転機能を搭載した車両の事故が相次いでおり、メディアを中心に自動運転の安全性への不安の声が高まっている。

 こうした状況を踏まえてNHTSAは、自動運転への対応を熟慮しているもようだ。シンポジウムの初日には米運輸省長官のAnthony Foxx氏が基調講演に登壇し、数カ月前に行われた主要7カ国の運輸大臣会議で、自動運転の開発方法と安全性、そして自動運転の定義などについて議論したことを明らかにした。

 その上で同氏は、「米国政府は自動運転を産業の中核に据えるべく積極的に行動する」と話した。そのためには政府、産業界、そして消費者の相互理解が重要であり、最も重要な課題は安全性の確保にあると強調した(図1)。

 なお、遅れている自動運転に関するガイダンスの公開時期については、「今夏の後半」と述べるにとどめた。