DeNAの南場氏
DeNAの南場氏
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 ディー・エヌ・エー(DeNA)は2016年7月24日、武田薬品工業、第一三共と共同で、デジタルヘルス分野のミートアップイベント「D2T Meetup -Digital Health-」を東京都内で開催した。DeNAにとって「デジタルヘルス分野では初めて」(同社 取締役会長の南場智子氏)のミートアップイベントだ。

 DeNAは2014年にヘルスケア分野への参入を表明し、一般消費者向け(DtoC)遺伝子検査サービス「MYCODE」を開始した(関連記事)。今回のイベントは、デジタルヘルス分野のスタートアップとベンチャーキャピタル、事業会社のネットワーキングを狙ったもの。挨拶に立ったDeNA会長の南場氏は開催趣旨を説明するとともに、デジタルヘルス分野とは縁遠かった同社がなぜ、この分野に参入したかを語った。

“営利主義”こそ必要だ

 参入の動機は「もっと健康な社会を作ろう。社会保障問題などの解決に向けて、個人としても民間としてもできるだけのことをして、持続可能な社会を作っていきたい」との思いだったと南場氏は語る。その手段となるデジタルヘルスを「民間も盛り上げ、ムーブメントを加速させたい」(同氏)と考えた。

 デジタルヘルス産業を成長させていく上では「営利主義に大賛成」だと南場氏は話す。政府主導の施策に頼るのではなく、民間企業が「利益をあげることは(新産業の)うねりをつくり、それを持続させるのに有効なメカニズム」(同氏)との思いからだ。

 「健康の維持を効率化する事業に取り組む人が、みんな得をする社会を作ろう。ネットワーキングによって、もっと多くの企業がこの分野で利益をあげられるようになればいい。勇気をもって事業を立ち上げたスタートアップが大成功する事例を作りたい」(南場氏)。