実験設備の設置イメージ
実験設備の設置イメージ
(出所:東北電力)
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 東北電力は7月19日、再生可能エネルギーの導入拡大に向け、「水素製造システム」の設置工事を開始したと発表した。再エネの導入拡大に伴う出力変動対策として、蓄電池と同様の効果を期待して研究開発に取り組む。

 同社の研究開発センター(仙台市青葉区)に、新たに太陽光発電設備や水素製造装置などで構成される小規模な試験用設備を設置する。約50kWの太陽光発電システムによる電気を用いて水素を製造・貯蔵し、この水素を燃料に研究開発センター向けの電力を燃料電池システムから供給する。

 太陽光や風力など、出力変動の大きい再エネ電気を水素製造に使用し、吸収することで、蓄電池と同様に出力変動対策として適用できるかなどを検証する。今後、基礎工事や機器の据え付けなどを進め、来年3月から研究を開始し、3年間実施する予定。

 実験設備の構成と容量は以下となる。太陽光発電設備は約50kW、蓄電池システムは約60kWh、水電解水素製造装置は約5Nm3/h、水素吸蔵合金方式の水素貯蔵タンクは約200Nm3 (放電・約300kWh相当)、燃料電池は10kW未満となる(関連記事)。