米国のエネルギー大手であるSouthern Companyは12日、フロリダ州ペンサコーラ(Pensacola)で定置型蓄電池の実証プロジェクト「マクラリー蓄電池デモンストレーション(McCrary Battery Energy Storage Demonstration)」を開始したと発表した(図)。

米Southern Companyが実証プロジェクトで採用した「Tesla Powerpack」
米Southern Companyが実証プロジェクトで採用した「Tesla Powerpack」
(出所:Southern Company)
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 同社子会社のGulf Power社と共同で、今後2年間にわたって取り組む。Gulf Power社がペンサコーラに保有する社員教育や防災用の施設「ダグラス L. マクラリー訓練・ストームセンター(Douglas L. McCrary Training and Storm Center)」に米テスラ製の産業用Liイオン蓄電池「Powerpack」を設置した。

 同蓄電池の出力は250kW、容量は1MWh。同プロジェクトで得た知見や経験によって、同社は蓄電池技術の開発を加速したいとしている。

 実証システムは、Southern Companyの研究開発部門がGulf Power社と共同で開発した。開発に当たっては、米国電力研究所(EPRI)の「電力網統合イニシアチブ」とテスラの協力も得たという。

 テスラのPowerpackは、カリフォルニア州やハワイ州など太陽光発電の盛んな地域で系統の安定化のために採用事例が増えている(関連記事1)(関連記事2)。

 さらにテスラは7月6日、オーストラリアの南オーストラリア州にあるジェームズタウン(Jamestown)の風力発電所「Hornsdaleウィンドファーム」に併設する定置型蓄電池プロジェクトの競争入札に応札して落札し 、出力100MW、容量129MWhの蓄電池システムをPowerpackで供給すると発表している。

 同社によると、2017年12月に完成予定のHornsdaleウィンドファームプロジェクトは、世界最大のLiイオン蓄電池システムになるという。