NKCながいグリーンパワーの木質バイオマスガス化発電設備の外観
NKCながいグリーンパワーの木質バイオマスガス化発電設備の外観
(出所:三機工業)
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発電施設内のガス化設備
発電施設内のガス化設備
(出所:三機工業)
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 三機工業は7月12日、木質バイオマスガス化発電設備市場に本格参入したと発表した。NKCながいグリーンパワー(山形県長井市)から2016年5月に受注し、山形県長井市寺泉に建設していた木質バイオマスガス化発電設備が完了し、7月から本格的な営業運転を開始した。出力規模は1.99MWとなる。

 固定価格買取制度(FIT)に発電容量2MW未満のカテゴリーが設られた2015年以降、国内で初めて商業運転するバイオマスガス化発電所となるという。2016年7月に経済産業省から設備認定を受けた。

 三機工業は、同施設および隣接するチップ製造工場において、ガス化設備・タール燃焼装置などのプラント設備、空調・衛生・電気設備工事など発電施設に必要な建築設備を担当した。

 ガスエンジン発電機は、同規模の一般的な蒸気タービン発電と比べて、発電効率が2倍以上に上がる可能性がある。同発電所では、年間2万6000tの国産材(未利用木材や一般材など)を用いて年間1480万kWh(一般家庭3000世帯相当)の発電量を見込む。

 ガス化設備は、日本バイオマス開発(川崎市)がデンマークBabcock & Wilcox Vφlund社から導入した技術を採用した。また、ガス化発電設備で課題となる木質タールは、蒸発濃縮し、全量を燃料として利用することでシステム全体のエネルギー効率を向上したという。

 また、エンジンやタール燃焼装置から回収する温水は、発電施設内の利用だけでは余剰となるため、近隣での農業利用や各種施設への熱供給など温排熱の有効利用方法を検討する。