ドイツHenkel社の日本法人であるヘンケルジャパンは2017年7月20日、クルマ向けFRP(繊維強化樹脂)部品の開発支援拠点を、同社のアジアパシフィック技術センター(横浜市磯子区)内に開設したと発表した。Henkel社は2016年6月に、初の開発支援拠点をドイツのハイデルベルグ市に開設しており、日本の拠点は世界で2番目になる。

 日本の拠点「コンポジットラボ」にはドイツの拠点と同様に、高圧RTM(レジン・トランスファー・モールディング)システムを導入した(図1)。ドイツKrauss Maffei社の製品である。同システムを用いてCFRP(炭素繊維強化樹脂)やGFRP(ガラス繊維強化樹脂)製の部品を試作し、自動車メーカーや部品メーカーのFRP製部品の開発を支援する。

コンポジットラボに導入した高圧RTMシステム
図1 コンポジットラボに導入した高圧RTMシステム
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 高圧RTMシステムを用いたHenkel社の成形法ではまず、積層した炭素繊維(CF)やガラス繊維(GF)の織物をバインダーで固めてプリフォームを造り、金型内にセットする。次に金型内を真空状態にして、母材となる熱硬化性樹脂を高圧(約13MPa)で注入してプレスしながら硬化させ、硬化後に金型から外して(離型して)製品にする。金型に樹脂を注入してから離型するまでの時間(離型時間)は2分程度である。