完成予想図
完成予想図
(出所:シャープ)
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 シャープと重光商事(石川県金沢市)は7月19日、モンゴルの現地企業と組み、3社共同で同国初となるメガソーラー(大規模太陽光発電所)事業に参画すると発表した。19日に3社間の契約合意に達し、ウランバートル市で調印式を行った。今月下旬に着工し、今年12月に商業運転を開始する予定。

 同事業は、環境省の実施する「二国間クレジット制度」に基づく設備補助事業に採択されたもの。同制度は、途上国において、日本の技術を活用してCO2排出削減事業を実施し、削減量を日本の排出削減量として計上することを前提に、事業者に対し、低炭素技術の初期投資費用の2分の1を上限として設備補助を行う仕組み。

 今回のプロジェクトは、当初、モンゴルのSolar Power International LLC社(ダルハン市)が開発を進め、日本企業に出資参画を打診し、3社共同出資となった。SPI社が現地の送配電事業者と25年間、固定価格で売電契約を締結した。売電単価は未公表。O&M(運営・保守)もSPI社が担当する。

 敷地面積約29万1000m2の土地に出力約10MWの太陽光発電所を建設する。太陽光パネルはシャープ製、パワーコンディショナー(PCS)はドイツSMAソーラーテクノロジー製を採用する。年間の発電量は約1万4182MWhを見込み、1万4746tのCO2削減効果を想定している。

 シャープは、太陽パネルの供給に加え、発電所の設計やエンジニアリング面をサポートする。特に冬期の厳しい寒さや積雪への対応など、モンゴルの自然環境に適した設計に関して日本での知見を提供する。稼働後は、日本から遠隔監視で運転状況を把握し、SPI社に対して、アドバイスなどの支援を行う。

 また、重光商事は、日本で8カ所合計9.2MWの太陽光発電所を運営しており、こうしたノウハウを提供する。

 二国間クレジット制度を活用したモンゴルでのメガソーラー事業では、ファームデゥ(前橋市)も合計約10.4MWの太陽光発電所を建設する計画を掲げ、採択されている。