米Intel社は、データセンター向けプロセッサーIC(マイクロプロセッサー)の「Xeonスケーラブル・プロセッサー」を発表した(日本語ニュースリリース)。最新のマイクロアーキテクチャー「Skylake」を採用するなどしており、「この10年における業界の最も大きなプラットフォームの進化」(インテル代表取締役社長の江田麻季子氏)と位置付ける。

 Xeonプロセッサーには、最大メモリー容量とRAS(Reliability Availability Serviceability )機能を重視した「XeonプロセッサーE7」と電力効率を重視した「XeonプロセッサーE5」という2系列の製品あったが、Xeonスケーラブル・プロセッサーはこれら2つの製品系列を統合したものとなる。上位から「Platinum 81XX」「Gold 61XX」「Gold 51XX」「Silver 41XX」「Bronze 31XX」という大きく5つのモデルがある。

 Xeonスケーラブル・プロセッサーの性能を従来モデルの「XeonプロセッサーE5-2600 v4」と比較すると、1ノード2ソケット構成の場合、平均1.65倍の性能向上を実現しているという。

クラウド、データ分析、ネットワークなどワークロードごとの性能向上。いずれも1.5~2倍の性能向上を達成する
クラウド、データ分析、ネットワークなどワークロードごとの性能向上
(写真:日経テクノロジーオンライン)
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 コアおよびソケットあたりの性能向上は、マイクロアーキテクチャーのSkylakeの採用や、最大コア数の増加、キャッシュメモリー階層構造の改善などによってもたらされた。

 このうち最大コア数は、最上位モデルのPlatinum 81XXが28、Gold 61XXが22、Gold 51XXが14、Silver 41XXが12、Bronze 31XXが8(従来の「E5-2600 v4」の最大コア数は22)。コア間の接続には、メッシュ状のインターコネクトアーキテクチャーを新たに採用した。これは従来のリングアーキテクチャーでは異なるリングに接続されたコア間の通信時にレイテンシ―(遅延)が発生してしまうため。「メッシュアーキテクチャーでコア間のホップ数を減らして、レイテンシーを低減させた」(インテル データセンター・グループ・セールスXeonプラットフォーム製品スペシャリストの横川弘氏)。

コアのインターコネクト。従来のリングアーキテクチャー(左)と新たに採用されたメッシュアーキテクチャー(右)
コアのインターコネクト。従来のリングアーキテクチャー(左)と新たに採用されたメッシュアーキテクチャー(右)
(写真:日経テクノロジーオンライン)
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