「Hornsea Project 2」
「Hornsea Project 2」
(出所:ABB)
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 スイスABBは、英国沖の世界最大級・洋上風力発電所への連系関連技術の提供に関し、デンマークの電力会社Ørsted(エルステッド)と契約したと発表した。

 洋上風力発電所「Hornsea Project 2」を英国の電力系統に接続するための技術提供について、エルステッドから1億5000万円超で受注した。陸上および洋上の風力発電の接続に向けた包括的な5年間の枠組み合意の一部で、2018年第2四半期に反映される。

 「Hornsea Project 2」は、英国ヨークシャー海岸沖約100kmの北海に設置する洋上風力発電プロジェクト。出力は1400MW(1.4GW)で約130万世帯以上に対応する電力を毎年供給できるという。英国の掲げる「2020年までにエネルギー需要の15%を再生可能エネルギーから生産する」という目標の達成を支援する。

 ABBは、最先端の静止型無効電力補償装置(STATCOM)であるSVC Light技術、特別高圧ガス絶縁開閉装置(GIS)、変圧器、リアクトル、高調波フィルタなどを提供する。また、エンジニアリング、供給、プロジェクトマネジメント、1基の陸上変電所と2基の洋上プラットフォーム変電所のデジタル制御および保護システムのコミッショニング(試運転調整)を請け負う。

 「Hornsea Project 2」で発電した電力は、洋上風力発電設備用では最大規模となるSTATCOMによって保護・制御される。STATCOMは洋上風力発電所からの送電容量増加、電力品質向上、電力系統の安定性を強化し、高効率で高信頼な電力供給を可能にするとしている。STATCOMの中枢部にはABB Ability MACH制御・保護・監視システムを搭載し、安定かつ効率的に電力を供給するためリアルタイムで監視するという。