NECは7月6日、2017年度のNECグループの環境活動実績をまとめた「環境アニュアルレポート2018」を発行した。

 同社は、温室効果ガスの削減に関し、昨年12月に「企業版2度目標」と言われるSBT(Science Based Targets)へのコミットメントを表明し、今年4月にSBTに基づく中期環境経営計画を策定した。直接排出(Scope1、2)は2030年に2016年比で33%削減、販売製品使用時の排出(Scope3)は2030年に2016年比10%削減を掲げた。

 これらSBT目標の達成手段として、今回、再生可能エネルギー導入の新目標を公表した。それによると、グリーン電力を活用することで、2020年度に2017年度比で約75倍となる2万7900MWhの再エネ利用を進めるという。

 同社は、現時点ではグリーン電力は購入していない。従来、再エネ導入は自社工場やビルの屋上に太陽光発電設備を設置することで取り組んできた。2011年度の発電容量36kWから、2017年度には2011年度比9.7倍の350kWに拡大していた。すでにこれを2020年度に360kWまで増やす目標を掲げていた。

 今回の新目標は、こうした自社施設への再エネ設備の投資に加え、グリーン電力を活用することで、飛躍的に再エネ利用を拡大させることを狙った。これによりScope1、2の排出削減を進める。

 また、Scope3分野の削減に向け、サプライヤーとの連携を深めることも公表した。2018年2月に「サプライヤー向けグリーン調達ガイドライン」を改訂し、温室効果ガス削減対策と気候変動による影響を考慮したBCP(事業継続計画)対策を要請した。加えて、今年7~8月には、サプライヤー向けに環境活動調査を実施し、温室効果ガス排出実績、気候変動への適応対策などを調査するとしている。

NECの再エネ導入に関する新目標
NECの再エネ導入に関する新目標
(出所:NEC)
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