マイクログリッド関連のソリューション事業などを手がける米Advanced Microgrid Solutions(AMS)社は7月10日、シリーズBでの投資ラウンドによって3400万ドルの資金を調達したと発表した。シリーズBは、ベンチャー企業に対する投資のうち事業がある程度進んだ段階での資金調達を指す。

 同社によると、「太陽光や風力などの分散エネルギー資源(DER)の拡大が今後数十年間、電力網に極めて大規模なストレスを与える」と電力事業者の経営陣が予想しており、その対策としてDERの最適化が主要な成長市場になるとみているという。

 今回の投資ラウンドは、電力事業者が共同出資している投資ファンドのEnergy Impact Partners(EIP)、エネルギー大手のSouthern Company、シリコンバレーの有力ベンチャーキャピタルであるDBL Partnersが主導した。

 他の出資者には、米General Electric社傘下のGE Ventures社、オーストラリアのエネルギー大手であるAGL Energy社、投資銀行の豪Macquarie Capital社、映画俳優で前カリフォルニア州知事のアーノルド・シュワルツェネッガー氏などが含まれているという。

 なお、EIPには米Southern Companyや豪AGL Energyに加え、東京電力ホールディングスも今年3月から参加している。

 今回の資金調達によって、AMSの資本金は合計5200万ドルとなった。

 AMSのスーザン・ケネディCEO(最高経営責任者)は、「エネルギーは将来、ますます分散化に向かう。今回、世界のエネルギー大手や最先端の企業など数社の支持を得ることができたのはそれを示している」と自信を示す。

 調達した資金は、同社製のDER最適化プラットフォーム「Armada」の拡販や新市場への参入などに振り向けるという。

 EIPのCEO兼マネージング・パートナーを務めるHans Kobler氏は、「世界中の電力事業者や系統網の運営管理者が直面している最大の課題の1つが、DERの最適な管理だ。今後数十年にわたって、電力網インフラにおける最も賢明な投資は、DER管理に絞られていくだろう」と述べている。