2015年末までの太陽光発電・累積導入容量世界市場トップ10カ国
2015年末までの太陽光発電・累積導入容量世界市場トップ10カ国
(出所:SolarPower Europe「Global Market Outlook for Solar Power 2016-2020」)
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 欧州の太陽光発電業界団体であるSolarPower Europe(旧European Photovoltaic Industry Association: EPIA)は、2016~20年の太陽光発電のグローバル市場における見通しをまとめた。「Global Market Outlook for Solar Power 2016-2020」として6月21日に公開した。

 同報告書によると、世界全体における2015年末までの太陽光の累積導入量は229GWとなり、太陽光の市場はわずか10年間で45倍以上に拡大したとしている。

 特に、中国、日本、米国が2015年に太陽光のグローバル市場をけん引し、日中両国だけで世界全体で新規に導入された設備容量の50%を占めた。欧州市場では2015年に新規に接続された設備容量は8.2GWとなり、年間の市場成長率は15%だったという。

 2015年に新規に導入された太陽光の設備容量が50GWに達した後、2016年に導入される容量は世界全体で60GWを超えるとみている。最も可能性が高いシナリオに基づく予測では、62GW程度の太陽光発電が新規に連系されると見込んでいる。

 また、2016年の第1四半期には、中国だけで7GW以上の太陽光が導入された。累積導入量では、欧州が100GWを超える世界で最初の地域になったとする。

 同団体のOliver Schafer代表は「太陽光は成長を続けており、世界の多くの地域で記録を更新し続けている。このことから、2020年までに累積導入量が世界全体で700GWに達する可能性がある」という。

 同団体参与で報告書の主要な著者であるMichael Schmela氏は、「太陽光発電のコスト競争力は、化石燃料と比べてもますます遜色ないレベルになっている。多くの国々で太陽光による分散電源が、系統から買う電力よりも安くなった。2016年には、太陽光のコストが陸上の風力発電より安くなる地域すら出てくる」と述べている。