米Navigant Research社は6月27日、全世界で稼働中、または開発中・計画中であるマイクログリッド・プロジェクトは、2017年第2四半期の時点で1842件、合計出力1万9279.4MWとなったと発表した。

 同社が刊行した調査レポート「Microgrid Deployment Tracker」の最新版として公表したもの(関連記事1)。

 同レポートによると、マイクログリッドの成長をけん引しているのは、遠隔地のプロジェクトという。加えて、商業用・産業用(C&I)セグメントも伸びており、2016年第4四半期以降に設備容量が2GW以上増加したとしている。

 同社のアダム・ウィルソン調査アナリストは、「系統網よりも安定した電力を求める企業が増加しているため、商業用・産業用で活用されるマイクログリッドが、今後10年間で最も成長性の高いセグメントになるだろう。2016年第4四半期以降、同セグメントの設備容量は2.1GW増となり、シェアは6%から16%に増加した」と述べている。

 また、同氏は「国別に見るとインドと中国における伸びが大きく、天然ガス発電機をベースにしたマイクログリッドが大半を占める」という(関連記事2)。

 同レポートによると、設備容量の合計では、依然としてディーゼル発電機が電源技術として最も利用されている。ただ、太陽光発電が増加してきており、トップのディーゼルとの差は縮小する傾向にあるとしている。

 地域ごとの容量合計では、アジア太平洋が北米を追い越してトップとなった。稼働中のマイクログリッドでは、北米が設備容量でトップの座を維持しているものの、開発中や計画中の容量はアジア太平洋が最大という。

 同レポートでは、用途では商業用・産業用、コミュニティ、電力事業者の配電施設、団体・学校、軍用、遠隔地、直流システムの7つのセグメント、地域では北米、南米、欧州、アジア太平洋、中東・アフリカ、南極の6地域のマイクログリッドをカバーしている。このほか、国別で上位10カ国、企業別で上位10社のランキングなどを公表している。